佐藤家の子育てブログ

家庭でできる地あたまの鍛え方

高学歴だけど仕事ができない。低学歴だけど仕事ができる。
先日、クライアントの社長さんから何が違うのか?という相談を受けました。
ここ数年でよく耳にする言葉でもあります。私の見解を書いていきます。

まず学力での判断が軸になっていることが背景にあります。
学力のモノサシで人を採用し判断しているのでズレが出ています。
また、高学歴なのに、、、という期待を裏切られた感を出したり、そこまで学歴が高くない方のやっかみも若干あるのかなと感じたりします。
高学歴の方で仕事ができないと思っている方は肩身の狭い想いをされているかもしれません。

最近では学歴ではなく地あたまの良さが重要だと言う風潮も出てきました。

では地あたまが良いと言いますが地あたまとはどのような意味なのでしょうか?
辞書によれば、大学などでの教育で与えられたのでない、その人本来の頭のよさ。
一般に知識の多寡でなく、論理的思考力やコミュニケーション能力などをいう。
と書かれています。
なんとなくわかるような気がしますがもう少し具体的に知りたいところです。

人材育成マニアの私から言うと地あたまが良いというのは「脳活用度が高い」ということ。

私たちの社会の発展は人の「脳」の発展です。
原始時代から現代まで脳を活用し、脳がレベルアップしてきたから今の発展があるのです。
脳の可能性は計り知れません。それぞれの人が持っている脳のポテンシャル。
その自分の脳を鍛え、最大限に使えている人が地あたまが良いのだと思います。

私は脳科学(ブレインカウンセラー)の認定講師でもありますが、160問のテストで自分の脳活用度がわかります。
平均で言うと人は約70%の活用度です。この数値を80~90に上げること。
自分の脳のポテンシャルを鍛え、活用していけば可能性を拡げ自己実現もでき、社会問題の解決に携わっていけます。
自分を生かし自分の好きなことで社会の役に立つという人は幸福度も高い。
自分がどれだけ脳を活用しているのか?その指針を持ち、可能性を感じることで次のステップにつなげることができます。
また、脳診断では自分の思考の癖を見える化させることができます。
言ってみれば、自分の強みが科学的にわかります。
地あたまが良いというのは、自分の強みを理解し生かしているということでもあります。

では、地あたま(脳活用度)はどのようにして鍛えると良いのでしょうか?

まず人間の脳をシンプルにした場合、4つ部位として考えます。

①知識系部位(左脳:知能・信念など)
②合理系部位(左脳:効率、ルールなど)
③愛情系部位(右脳:礼節、慈しみなど)
④行動系部位(右脳:情熱、チャレンジなど)

この4つの部位の使いようが価値観となります。
例えば、同じ境遇でも人によって捉え方が違います。
自分よりも人のことを優先する人、チャンスと捉え行動する人、チャレンジよりもデータを収集する人などです。
これはどの部位を優位に使っているかどうかです。

人によって価値観が違うというのは部位の優位性の違い。

ここで大事なことは自分がどの部位を優位に使っているか、すなわち強みを知っていることです。
行動系が優位な人は営業に長けています。
しかし、知識系が弱いと細かい作業が苦手です。
そんな方に事務仕事ばかりをさせていればストレスが溜まります。
きっと悩みも増え仕事が辛いものになるでしょう。
この優位性を見抜き、適材適所で能力を発揮していけばチーム力が向上していきます。

では、苦手な部位は育てることはできないのか?
 
 
中小企業などは一人一人の能力向上が求められます。
強みだけで勝負しているとマンネリ化し大きな事故やミスに陥ってしまうケースも多い。
組織の循環が生まれず、上司の弱みを補填する人材が苦しみ始めます。
結局組織に残るのは成長しない上層部であり部下は辞めていきます。
このケースでは創造的な仕事よりもこなす仕事が増えていきます。
成長意欲の高い人ほど去っていきますので、現実的には強みだけではなく弱みも伸ばしてもらわないと困るのです。
もちろん、苦手な部位は育てられます。
人はその方法を知らないだけです。

人の脳は可能性の塊。
人類が飛行機を飛ばしほんの約60年で宇宙まで到達したのですから。
あきらめる必要はありません。可能性を信じ、強みを生かしながら弱みを伸ばすのです。
 
 
ちなみに、高学歴で仕事ができない人は知識系部位が強い傾向があります。
勉強は得意ですが人間関係や合理的な判断、行動することが苦手ですのでコミュニケーションがとれない。
このようなタイプは自分の信念も持ちますので人のいうことは聞かない。
職業は研究職や職人さんが向いています。
知識系の部位だけを伸ばすことを幼少期からやっていると将来の職業も固定されてしまうかもしれません。
現代の教育環境を考えると左脳優位になりがちです。
知識的学力を上げ、ルールを順守することは左脳を鍛えることに向いています。
しかし、私は左脳も鍛えながら右脳も鍛えていく必要性を感じています。
 
これからの社会はAIです。
AIができる仕事は左脳系。莫大な情報を分析し効率よい方法を生み出します。
左脳系の仕事はロボットが変わってできるようになる。
 
人は自分の得意なことを発揮できない「自己損失感」を感じるとストレスを抱えます。
このストレスが血流を悪くし身体にも影響を与えています。
左脳系のストレスはストーカーなど他人を追い詰めたり、自分のメリットになることを優先し批判をするようになります。

ネットでの批判などはまさしく左脳系のストレスの出方。
 
社会でこのような現象が多くなっているのは左脳系が強い教育環境の影響が出ているのかもしれません。
左脳優位の能力を生かす仕事であれば良いのですが、ロボットに変わる可能性も出てきたのが現実。
これからは右脳の愛情系や行動系を鍛えることも忘れてはならないのだと思います。
 
 

4つの部位をコントロールする司令塔の方が重要

 
知識、合理、愛情、行動の部位はスキルです。
知識系は勉強力、自分軸や忍耐力と言えます。
合理系はマニュアルのチカラや段取り力。
愛情系は思いやり力などです。
 
ここ数年で〇〇力という本が出ていますが、〇〇力とはそれぞれの部位について言っていること。
スキルやテクニックの能力が高くても、そのチカラをどのように使うかです。
刃物を料理に使うのか?それとも武器に使うのか?持っている強みの使い方により人生は変わります。
チカラを持てば持つほど失敗していく人もいます。
欲に溺れてしまい正しい判断ができなくなる。
こち亀の両さんは失敗を面白いように描いてくれていますが周りを見渡せば現実でも多いですよね。
 
 

 
 
実は4つの部位を高めるよりも物事の判断を司る司令塔でコントロールするチカラを伸ばす方が重要なのです。
木で例えれば枝や葉は4つの部位。
根っこが生命力(本能)です。圧倒的なパワーでぐいぐいと拡がっていきます。
幹が本能と4つの部位をつなぎコントロールする部分。
本能が伸びると幹も太くなり枝葉に変わっていきます。
枝葉は栄養を吸収して幹に流し根っこを伸ばしていきます。
幹はつなぎ役となり本能とスキルをコントロールしているのです。
司令塔である幹が人生を左右させます。
 
この司令塔の部位が「理性」です。
 
人間と動物の違いは「理性」。
もし、司令塔が発達していなく動物ならではの本能で生きるとどうでしょうか。
食欲、睡眠、性欲など本能的欲求を理性でコントロールせずに生きると社会では犯罪行為となってしまいます。
 
ただし、本能的欲求が少なすぎると生きることの意欲を失っていきます。
本能的欲求は生命力。
動物的な本能は生きる上では原動力でもある訳ですから、この部位を否定してはいけません。
現代では本能的欲求さえも育ちにくい環境があります。
生きていることに後ろ向きになり本能さえも活性化しない。
人は本来、生きようとする生命力に溢れていますが便利で快適な状況であると欲を失っていく。
ある程度の欲がないのも人間らしくないというか、面白みもありません。
本能を上手にコントロールする理性を身に付けていき、バランス良く人生を楽しむことが大事なのは言うまでもありません。
 
 

かわいい子には旅をさせろ?

 
 
脳全体を鍛えるには脳科学的な見地から見ても「旅」がウッテツケです。
例えば旅に行く前の情報収集で知識系部位を使います。
そしてどのような方法で旅に行くのか?という段取りをとることで合理系部位を使います。
実際に旅に行くことで行動系部位を使い、旅先での人との出会いで愛情系が育まれます。
さらに、旅では思いがけないハプニングが起こります。
 
この時に、司令塔が活性化し自己コントロール力が高まります。
どうしようもない出来事があるから人は脳を活用しようとするのです。
旅というのは脳全般を鍛えるのに適している。
つまり、旅により「地あたま」を鍛え、人の可能性を拡げていくことができます。
 
 
私はビジネスパートナーと青年や子供の無人島合宿や自然体験などの企画を考えています。
脳科学を基にした脳のポテンシャルを上げるプログラムです。
無人島のように何もない状況は地あたまを鍛えるのに適しています。
また、企業の人材育成の場もできます。まだ準備段階ですがご期待ください。
 
 
私の提唱している家庭でたいけん教育も「地あたまを鍛える」ように考えられています。
私が思うに子供の脳を鍛えていくには学校教育との連携が必要です。
学校も左脳、右脳と鍛える機会がたくさんあるのですがどちらかと言うと左脳系が強い。
 
つまりそれが学校の強み。
 
左脳系は学校で鍛えていただき、右脳系を家庭や地域で賄っていくという考えです。
学校に合わないから不登校という話もありますが、
右脳の愛情系が強い大人は感覚的に「いいよ、いいよ、大丈夫だよ」というアドバイスになります。
左脳の知識系が強いと我慢強さも出ますので「我慢して行くべきだ」というアドバイスに。
 
 
子供社会は複雑ですし親以外の大人と過ごすこともストレスになる子もいるでしょう。
子供自身が辛くなることも理解できます。
不登校が一時的な逃げ場であり次に向けての準備ならば良いのですが、
逃げ場に依存し続けるケースになると大人になっても引きこもってしまうことも多い。
周りの大人が現実から考えた合理的な判断をしないと子供の脳を発達させずに将来の可能性を奪ってしまうことも。
学校の先生と合う合わないというのもありますが先生も完璧ではない。
左脳系は学校で、右脳系は家庭や地域と
それぞれの強みを生かす考えで可能性を拡げることもできるのではないかと思います。
しかしながら、合理的に考えて、子供の能力を伸ばすために学校に行かずに民間や個人で育てるという方もいる時代です。
それができる経済力や時間、能力があるのならばそれも新しい育て方なのかもしれませんね。
 
 

では、家庭でできる地あたまの鍛え方です。

様々な手法はこのサイトを読んでいただければ参考になると思うのですが親のスタンスを簡単にお伝えします。
 
まず優先順位として高いのは本能的欲求を認めることです。
子供の「遊びたい」という欲を叶えてあげられる環境をつくること。
外遊びは脳の生きる上での本能系が育ちます。
外遊びができない地域が話題となっていますが反して「このままでは子供が育たない」と考える地域も出てきています。
子供の服が汚れると親がストップさせては脳が育ちません。
本能が育たないということは生きる気力を失っていくということ。
子供の将来を考えるのならば外遊びをさせると良いです。
幼少期だからこそ本能的な行動をとります。
子供は生きるために見たい、知りたい、触りたい、臭いたい、食べてみたいと五感を使い学習する能力を高めていきます。
危険なものは避けることは徹底しながらある程度の興味関心を拡げられるようにしてあげたいものです。
 
そして日常の生活体験を教材にします。
 
料理をつくる、食器を洗う、整理整頓する、片づけをする、靴をそろえる、食べたことがない料理を食べてみる、友達と遊ぶ、大人が友達を呼んでパーティをするなど。
日常の中に4つの部位と自己コントロールを鍛える生活習慣が溢れています。
もし、このような脳を鍛える機会があるのにも関わらず便利で快適なものばかりの生活はどうでしょうか。
便利な商品を否定するつもりはありませんが食洗器が洗えば「食器を洗う」という機会が失われます。
勝手に掃除をしてくれるロボットがあれば掃除もしません。
自己コントロール力というのはメンドクサイことをやる時の捉え方で身に付けることができます。
大人であり自己コントロール力が身に付いている方であればわざわざメンドクサイことをする必要はありませんが、子供の脳を伸ばすことを考えるとある程度不便な日常生活も必要なのです。
お金をかけないと子供を伸ばせないのでしょうか?
私は便利なものにお金をかけない生活の方が脳を鍛えられると思います。
 
また、子供が小学生となり自分で物事を調べたりと情報収集の幅が拡がります。
親に答えを聞いてくることもあるかと思いますが、脳を鍛えるためには答えを教えません。
自分で調べることで知識系部位が育ちます。
リビングの使い方、テレビなど家庭によってルールがあると思います。
このルールを親が決めつけるのではなく、子供と共に考えて実行してみてください。
このことで合理系部位が育ちます。

また、例えば外食の際にはいつもと同じお店に行くのではなく新しいお店を発掘しようと子供といっしょに考えてみてください。
そして新しいお店にいきます。行動系部位が育ちます。

人間ならではの愛情が子供の安心感となります。
子供とふれあい愛情を伝えてください。
そして人の気持ちがわかるように、自分の想いや感情を伝えてください。
「私は〇〇と思うよ」という言葉がけをしていると、子供も人の感情に気づけるようになります。

司令塔である理性の部位は様々な方法がありますが簡単なものはマンガを活用すること。
何かの目的を達成しようとしている主人公の想いを子供に説明してもらいます。
そして同じ行動をしてみようとモデリング化させます。
実はビジョンを持って動くという行動は「理性を鍛える」ことがわかりました。
もちろん、マンガではなく偉人の本などが良いですが子供によってはマンガの方がとっつきやすい子も。
マンガで本に慣れると本を読めるようにもなりますのでマンガも活用されてはいかがでしょうか。
映画もテレビも脳を鍛える機会にすることができます。家庭はすばらしき脳を鍛える場なのです。
 
 

人生に答えはありません。自分で答えをつくっていくのです。

 
日常で脳を鍛え可能性を拡げていくと自分のすばらしき人生となります。
地あたまという総合的な脳を鍛え、優位性で強みに変え、社会問題を解決していく人になれば、仕事に困ることもありませんし自己実現していくでしょう。
答えのないことを解決する地あたまを鍛えるには答えのない場が必要です。
大人が作ったルールの中や大人の関わりが強いと大人の顔色を伺う答えを出します。
できれば子供だけの放課後の社会を大人の存在を感じさせずに見守れる地域があると良いでしょう。
うちにはたくさんの子供たちが遊びに来ますが大人の存在を感じさせない状況をつくっています。
もちろん地あたまを鍛えるためです。
地あたまは教えて育つようなものではなく自らの体験によって育つもの。

親として気を付けたいのは自然体験をすれば脳が育つという単純な考えを持たないこと。
自然体験などは脳を鍛える機会になるのですが脳には部位があり複雑に絡み合っています。
自然体験をさせているから大丈夫と思わず、あらゆる体験もさせてほしい。
うちは自然が豊かな地域に住んでいますが都会体験も大事にしています。
都会の環境も地あたまを鍛える機会がたくさんあります。
右脳も左脳も自己コントロールできる帯状回や小脳もバランスよく鍛えながら脳全体の活用度高めていきましょう。

ひとねるアカデミー
佐藤陽平

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