夏や冬に子供だけの自然体験や野外体験ができるキャンプを探す親御さんが増えています。
夏休みは学校がないため子供の面倒を見ることが大変ですが自然学校に子供を預けられ、なおかつ子供の体験値が上がる機会となれば長期のこどもキャンプなどはありがたい機会なのではないでしょうか。
年々と体験学習の価値も高まっておりネットでは様々な評判も出ています。
私は子供キャンプに10年以上関わりプロデュースや現場責任者として活動してきました。
子供だけキャンプに出す際には不安もあるかと思いますので子供キャンプについてお伝えしていきます。
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現代の子供たちは体験不足と言われています。学校と塾やお稽古で忙しく、地域に遊ぶための場も減少しています。このような中で、夏休みや冬休みはまとまった時間をつくれますので体験をしやすい時期だと考えられます。
そもそも体験とは?
体験によって得られるのは「生きるための情報」です。自分自身は何が好きで何が得意なのか?などを発見する機会になります。自然体験などの原体験は脳の発達に大きな影響を与えます。
生命の誕生は40億年前と言われていますが、細胞レベルから人になるまでの進化をママの体内で辿っています。つまり、成長というのはというのは生命の進化を土台にすることなのです。
人類誕生から現代の脳レベルまでの発達の土台となる生活は自然の中。火や刃モノを扱うことで道具をつくりました。自然環境の変化に対しても頭を使い乗切っています。また人類は他の猛獣と違い牙などの武器が身体に備わっていません。自然界の中でも弱い存在でした。そのため、生き残るために仲間との協力が必要だったのです。
現在、人類は宇宙まで行きます。今のレベルまで脳が発達したのは何百万年もの期間の進化の土台があったからです。
自然体験キャンプは人類が辿って来た進化を体験することができます。自然の中で暮らし、遊び、火や刃モノも扱う。このような原体験が脳を刺激していきます。脳科学でも人間は自然の一部であり、自然から離れることによって脳のトラブルが発生していると言われています。子供が自然を体験するというのは脳の発達に影響を与えていくのです。
私たち親は子供キャンプをチラシで情報を得たりインターネットで検索して探すと思います。上手にホームページをつくっているところもあれば、そうではない団体もあるでしょう。また、行政が関係している団体であれば低価格の体験学習などもあります。親としては何を参考にすれば良いのでしょうか?
私が最も大事にするべき点は「常に子どものために質を高めているキャンプなのか?」という視点です。
私は様々な子供キャンプを運営している方とも会ってきましたが、子供のためのキャンプなのかと疑問に思うこともありました。
キャンプは子供自らが主体的に活動することが求められます。
体験値が少ない子供にとって自然の中は楽しいこともあり不安でもあります。
そこで子供一人一人をしっかりと見守れ、時にはきちんと指導できるかが重要な点です。
事故やケガなどは大人の注意力で左右されます。
もちろん自然体験は少なからずのケガ(切り傷、やけど)はつきものです。小さなケガに対してクレームをするようならばキャンプをお勧めしませんが、大きな事故については別です。子供自身が大人の注意したことを守らなければ子供の責任も問われますが、大人の不注意で起きることもあるのです。だからこそ、常に子どもの為に質を高めているキャンプなのか?という視点を持っているかどうかが重要なのです。大人の目が大きな事故を防ぐことになります。
自然の中では「完全に安全」はありません。ある程度のリスクがあるからこそ脳に刺激があります。
子供キャンプを考える際には募集要項の中身をしっかりと確認することです。団体と保護者をつなぐ約束が募集要項となります。
後から知らなかったでは取り返しがつきません。特に保険内容は必ず確認しておいてください。
自然学校はネットワークがあり、リスクマネジメント研修も盛んに行っています。保険については保護者も敏感になる必要があります。
募集要項で納得いかないことや理解ができないことは主催団体に問い合わせてください。そこの対応で主催団体のレベルも把握できると思います。
いざ子供キャンプが決まりましたら、その時からキャンプは始まっています。
私の経験では毎日クーラーの中で快適に過ごしている子供はキャンプで体調を壊しやすいと思います。
都市部で炎天下の中で慣れさせる必要はありませんが、朝の涼しい時間に身体を動かしたりするのは良いと思います。
また、荷物の管理ができるように練習をすると良いでしょう。持ち物に名前を書くのも子供自身にやらせることでキャンプに対する意欲も高まってきます。
子供たちは自然の中にいると全身を使って遊びます。思った以上に疲労度が高いです。せっかく自然体験の機会があるのならば子供のためにも体調管理を意識してください。
また、子どもだけで参加する場合は子供も不安を持っています。「やっぱり行きたくない」という子もいるかもしれません。
そのような場合は子供の不安を受け止めてあげてください。子供は不安をわかってほしいのです。自分のことをわかってもらえていると思えば前を向き始めます。
キャンプから子供が帰って来て、体験談を話す時がチャンスです。
子供たちは今までに経験したことがないことを体験しています。そのことを親に話したがります。
虫を見つけたり、星空を見たり、魚を見たりと子供たちにとっては大冒険だったはず。
親としてはしっかりと子供の体験談を聞いてください。聞いて共感してあげて、子供の自己肯定感を高めるきっかけにしてください。
人に物事を伝える時に脳も活性化します。体験したことを親から認められれば、子供はチャレンジが好きな子になるでしょう!
私が家庭でたいけん教育を提唱するようになったのは、こどもキャンプに参加した子が「家に帰りたくない、家に帰るとロボットになっちゃう」と泣き叫んだからでした。子供キャンプが子供自身の「逃げ場」になっていたのです。
子供が自分の存在を認めてもらえていないと大人になっても自立しにくいと言われています。
子供を愛しており自立させるために塾やお稽古や子供キャンプの機会を与えているのだと思いますが、愛情が伝わっていないケースもあるのです。
子供も大人も忙しい毎日を送っています。キャンプから帰って来た時には子供の想いを受け止めてあげて欲しいと思います。
夏休みや冬休みは子供たちに自然体験を!
全国には自然学校があります。調べてみてくださいね。
一般社団法人 ひとねるアカデミー
佐藤陽平