佐藤家の子育てブログ

リスクに強い子に育てるには?

西日本豪雨でなくなられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、甚大な被害を受けられた皆さまに対して、心よりお見舞い申し上げます。
 
私は大学生の頃に広島に住んでいました。
私を育ててくれたあの町が被害を被っているとは受け入れたくない現実です。私は探検部でラフティング(激流下り)をしていました。
川の活動は楽しい想い出でありましたが今では複雑な想いです。
 
昨今、自然災害が多発しています。地球温暖化の影響でしょうか、今では氷河期とも言われています。
どちらにしろ、一昔前の基準では判断を間違う状況です。
確実に環境は変化しています。
子供たちはその変化に対応できるよう育てたいです。
 
まず、リスクに強い子を育てる必要があると思います。

今までの学力を重視した教育法では育てられないでしょう。
 
なぜか?
 
学力などの知識を司る脳の部位は左脳。
左脳はマニュアルなど言語化やシステムなど合理化をするチカラです。
高度な情報を分析し合理化を求める社会であれば学力重視の教育法で左脳を鍛えられた人が優位になるでしょう。
仕事ができると判断されやすい。
いわゆる高度成長期など仕事のシステム化が求められる時代は左脳を鍛える学力重視教育法が役に立ったのです。
左脳的な部位の有効性は情報を処理することです。
災害の対策マニュアルを作る際には必要なチカラ。
また、ルールや規律を守るのも左脳ですので防災訓練などには役に立ちます。
 
学校の教育法に問題があるのではありません。
実は学校で右脳も左脳も鍛えられます。
そのようなシステムになっていますがどちらかと言うと左脳が優位です。
これも社会的背景が要因にあると思います。
社会出世の評価が高学歴の大学に行き大企業へ入るという価値観であるから国語、算数などの5教科の点数で判断されやすい。
幸せのモノサシがこのような評価であれば左脳優位の時代になるでしょう。
左脳も重要なのですがリスクに必要なのは災害を感じる右脳のチカラです。
 
 
「あれ?このままでは危ないぞ」と感じるチカラ。
 
 
空間認識は右脳です。
いつもと違うという感覚など言葉にできないことを感じ処理しているのは右脳。
何か違うぞ?言葉にできないけどおかしくないか?と感じるチカラ。
災害というのは現場で起こる想定外。
マニュアル通りにしか動けないのであれば、ますますリスクに弱いということです(左脳を鍛えていないとマニュアルでさえ守りませんので左脳も鍛えておくのは大事なことです)
 
右脳の空間認識力や感性が育っているとリスクを察知できるようになります。
 
では、そのチカラはどのように育てれば良いのか?
 
空間を感じるチカラ、異変を感じるためには幼少期から「整理整頓のチカラ」を伸ばすこと。
 
え?お片付け?と思われるでしょう。
 
リスクとは関係のないことだから意味がないと思うかもしれません。
災害に強くなるために災害を経験した方がいいというような極論を言っても仕方ない。
災害を経験しようとする方がリスクです。
リスクを感じるというのは脳の空間認識の部位を鍛えること。
そう考えれば手法はいくらでもあります。
 
自分の空間認識力が高くなればなるほど「気づくチカラ」も高いということです。
異変に気づくからリスクにも強くなります。
実は整理整頓をすることで空間認識力が鍛えられるのです。

ちなみに、整理整頓が苦手な人はミスやリスクに弱い。
 
答えは単純、気づかないのです。
 
この部位は人の感情にも気づかないということにつながっていますので人間関係でもトラブルことが多くなってしまいます。
なぜ、あの人は整理整頓ができないんだろう、なぜあの人はたまに無神経なことを言うんだろう、なぜあの人はこんなミスをするんだろうという方は上記が共通していませんか?
誰でも強みと弱み、得意不得意があります。
そこは認めた上で、脳はいつでも鍛えられます。できないからと諦めなくていい。
 
 
できるならば幼少期から脳を鍛えておきたい。
 
子供の頃から「お片付け」をさせること。
 
自分だけの空間を作り、その中で整理整頓させるのです。
自分の空間が散らかっても気にならない。
散らかっている方が合理的だと詭弁を言う方もいます。
その方の行動を見ていればわかりますが物をなくしいつも何かを探すことに時間をかけています。
そもそも、散らかっていれば地震などの災害時に足の踏み場もわからず危険です。
このことでわかるようにリスクに弱いのです。
空間認識力を高めるためには自分の空間を意識させること。
そして、自分だけの空間ではなく他人にも影響を与えていることを理解させること。
自分だけを強調し過ぎると自分さえよければいいと自分本位になってしまいます。
 
 
また、「動物的な勘」と言うものがあります。
ストレスが多い状態でいると人が本来持つ能力を生かすことができません。
ストレスが多すぎると人間として弱体化していきます。
血流が悪く病気になりやすく回復しにくい。
さらにストレスは自己保身に走らせることからマイナス的な出来事は他人や環境のせいにし始めます。
つまり、より一層「気づかなくなる」ということ。
リスクに強くなるためにはストレスに対応し、動物的な勘を研ぎ澄ませる。
 
そのために視床下部の部位を鍛える。
いわゆる自律神経の中枢です。
緊急時に冷静な判断ができるようにするためです。
 
ではどのようにすれば、視床下部が鍛えられるか?
 
視床下部を鍛えるには苦手なことにも向き合うこと。理不尽なことに出会うことです。
昨今、子どものために何でもOK、やりたいことをやらせるという考えがあります。
表面的には良いのですが将来を考えると視床下部が育ちにくいケースもあります。
好きなことをやるのは良いことです。そのことを否定するのではありません。
 
私が受けた相談の中に、子供時代に何でも許されるような環境で育ち、大人になり働き出してつまずいている方がいました。
親が何でも子供のためにと寛容すぎることで子供がストレスに向き合わず弱くなるのです。
 
子供には逃げ道を作った方がいい。という意見もあります。
それは厳しすぎる環境にいる子に当てはまることです。
親が子供を精神的に追い詰めるような子育てをしていることが多かったから逃げ道をつくれという話が出たのです。
何でも許され続けている子に逃げ道を作れば精神性が弱くなることがあります。
現実に向き合わないことで現実に対応できなくなる。
私たちは「逃げ道をつくれ」という一つのメッセージの裏側まで考える必要があります。
 
筋肉をつけるためには筋肉にストレスを与えること。
同じように視床下部を鍛えるにはストレスに向き合わせることなのです。
 
しつけというイメージが良いでしょう。
散らかしたらお片付けをする。ゴミはゴミ箱に入れる。テーブルを汚したら拭く。
楽なことを優先するのではなくメンドクサイことに向き合うことで視床下部が鍛えられます。
このようなことでストレス時にも平常心を保てる力に変わってくるのです。
 
うちの子は〇〇が苦手だからやらせない・・・。
という親御さんも多くいらっしゃいます。
お気持ちもわかります。苦手だからと割り切ると気持ちが楽になります。
苦手なことは認めてあげてすばらしいと思います。
 
一方、次のような考え方もあるので知っておいていただければ子供の可能性をもっと伸ばせるかもしれません。
 
人は脳の部位の使い方により性格も違います。
苦手なこともあるものです。
大切なのは苦手を避けるのではなく向き合うこと。
苦手が得意になるまでスパルタで鍛えろということではありません。
苦手なことを排除するのではなく向き合うのです。
私は視床下部を鍛えるために人には苦手なことがあるように思えます。
苦手なことに「ちょっと向き合う」ことでストレスが生まれます。
ストレスを乗りこなす練習は「苦手」があるからできるのです。
 
脳は非日常でも繰り返せば日常化させる小脳の働きがあります。
つまり、苦手もちょっと向き合っていくことで慣れてくるのです。
脳はうまくできていますよね。
苦手なことやストレスに向き合い慣れている状態が平常心。
ストレスにも負けない心があることでリスクに強くなるのです。
 
苦手って人が成長するためにもあると考えればマイナスではありません。
苦手や失敗などネガティブなイメージがありますがそんなことはありません。
このようなことを親が知っておくと子供の成長につなげることができるのではないでしょうか。
何でも許され大人になって絶望を感じるよりも、子供の時に自立できるように育てることが大事だと思います。
 
 
そしてやはり外遊びです。
自然という大きなチカラに畏敬の念を持っていれば災害時では逃げることを優先するかと思います。
また近所で遊ぶことで地形の情報をインプットできます。
どのルートが最も早く逃げられるのか?ということも近所で遊んでいるからわかることです。

脳科学の実験で人は遊んだ後に莫大な情報をインプットしていることがわかりました。
遊ぶ前には気づかないことでも遊ぶことで意識せずにあらゆる情報を脳に溜めていたのです。
リスクに強いというのは情報を持っているから。
その情報は避難訓練等でもインプットできますが緊急時はマニュアル通りにいかないこともあります。
応用できるようにするために「遊ぶことが理にかなっている」のです。
 
 
まとめます。
 
リスクに強くなる方法
①感じるチカラ(空間認識力)を高めるためにお片付けから始めよう。
②苦手なことに向き合いストレスを対処できるようになろう。
③外遊びをして近所の情報をインプットしておこう。

 
自然災害はこれからも増えていくことが予想されています。
もう起こって欲しくないですし、悲しい想いもしたくありません。
しかし、現実がそうであれば受入れ次の希望を生み出していかなければいけない。
 
私ができることは、自然災害に対応できる子供たちを育てること。
大きなことはできませんが目の前の子供たちのために動くこと。
 
私が勉強してきた脳科学や体験学習法が皆様のお役に立てば幸いです。
 
一般社団法人ひとねるアカデミー
代表 佐藤陽平

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