【その一】認められるから『やる気』がでる

デンマークの森のようちえんの先生から聞いた言葉です。

先生:「こどもは一人一人違います。自分で学ぶこどももいますし、一押ししてあげるこどももいます。それぞれの子に合ったやり方を考えていく。一番大事なのは、その子の能力を引き出すこと。苦手なことも認めてあげるのです。」

先生:「ご飯をつくっている時に、食べたくなるのは自然なことなので、食べちゃダメとは言いません。」

先生:「最初からダメとは言うのではなく、例えば人のモノをとったら、『あれ?借りていいって聞いた?』と促します。こどもに気づかせるのです。」

先生:「こどもを叱ることはしないが、暴力をふるった時はしかります。普段はしからない大人がしかるとこどもは言うことを受け入れます。本当に大切なことを言われているのだと理解するのです。」

デンマークでは森の幼稚園でも小学校でもこどもたちを認めまくりです。大人が「こうでなければいけない」と教育するのではなく、こどもと共に寄り添った教育と言えるのではないでしょうか。
こどもたちは認められ様々なことにチャレンジしていました。野外で料理をしたり、土を運んだり、ノコギリで木を切ったり、水路で水遊びをしたり・・・。やりたいことを選び取れる現状がありました。

コーチングには「やる気」を引き出す方法があります。やる気とは自分のやりたいことを実現しようとすることです。人は無意識に自分のやりたいことを実行しようとしています。ワクワクすること、楽しいことなどを求めるのです。自分で考えて行動することが「やる気」の種。自分のモチベーションが高まっている時に「否定」されると、不安、不信、委縮が生まれやる気は下がっていきます。ですから、まずはその人のやりたいことを「認めること」なのです。自分の考えを認められれば、安心しチャレンジにつながります。

例えば、こどもは自分で考えて行動しているのに、頭ごなしに大人から「ダメ」と言われることがあります。なぜダメなのかを説明できない大人がこどものやる気を奪っていきます。「ルールだから、決まり事だから」なぜそのルールになったのかなどをしっかりと聞ければ納得するものですが、そこに対話がありません。
「ならぬものはならぬ」をデンマークの先生たちも実行していますが、それができるのはこどもたちが聞き入れられる関係性をつくっているからです。まずは認められているから受け入れられる訳ですね。叱ることも愛情や信頼関係があるから効果があります。
人は認められることでやる気が高まり、能力が引き出され、自分らしさを確立していきます。
デンマークでは幼少期に自分のやりたいことを実現し、体験を増やし自分らしさの土台をつくるシステムがあるということです。理にかなっていると思いました。

では自分らしさが生まれ、それが認められればどうなるのか?

自分の考えを持てるようになります。「私はこう思う、考えている」と言えることです。そして、ビジョンが生まれます。自分がなりたい姿を想像するようになります。いわゆる夢というものです。

デンマークの小学生の授業を見てきました。先生の問いかけにたくさんのこどもたちが発言していました。あるこどもが私たちに「藻のエネルギー」について教えてくれました。その子の将来の夢を聞くと、科学者になりたいと言っていました。堂々と答える様子を見ると、頼もしく思えました。自分の意見を言うことに臆していません。きっと認められているから夢も生まれ、その実現方法までも考えているのだと思います。日本だと周りの子が「ヒュー、ヒュー」と言って茶化しますが、そんな雰囲気はありませんでした。この視点については次の「場の安心感が成長の土台」でお伝えします。

青年が自らの意思で学べる学校もありました。やる気があれば誰でも入れる学校です。幼少期から認められて生じた「やる気」を元に、興味があることをさらに深めるための学校がある訳です。デンマークには一貫された教育システムが整っていました。

デンマークのこどもたち、大人の姿を見ていると「豊かさ」という表現が合いそうです。満たされている幸せと言えばよいのでしょうか。不思議なことに私にも豊かさが伝導し、ケチな私が昼間からビールを飲んで楽しんでしまいます(笑)経済も周っているようですし、休日には至る所でパーティーをしていました。ただ、周辺国はもっと規律を重んじた方が良いのではという声もあるようです。

ではこの考えを家庭たいけん教育に落とし込んでみたいと思います!

『こどもを認めること!(大人も)』

例えば、こどもが家で遊ぶと必ずと言ってよいほど散らかります。そこで大人が「散らかってばかり」とあまりにも言いすぎると、こどもは自分の存在が邪魔なのかな?と感じてしまいます。自己肯定感は下がります。

私を例にしますと・・・私が出張から家に帰ると、「お父さんが帰ってくると家が散らかる」とおかあちゃんに嘆かれます(笑)
これで私の自己肯定感は驚くほど下がっていき、しまいにはやけを起こして酒を飲みます!酔っぱらってつまみを食い散らかし、ビールをこぼしてまた怒られるのです。こどもにも「ダメなおとうちゃん」と言われ、ふてくされてさっさと寝てしまいます。まさに悪循環!
このような悲しいマイナスのサイクルを生み出さないために、まずは認めることです!
おかあちゃん、どうかこんな私も認めてください(願)次こそは片づけしますから(きっと)

私のことは置いときまして、こどもに対してまずは認める言葉をかけてあげたいものです。こどもが遊んでいる時は、「たくさん遊んでるね!自分で考えて遊ぶことはたのしいよね!」と認めた後に、「遊んだあとは何をしたらいいか考えてやってみてね!」と伝えます。
こどもが片づけ始めたら、「自分で考えてえらいね~!」と考えて行動したことを認めます。

もし、片づけしていなければ、「ほかの遊びを見つけたの?ホント遊べるね!」とさらに認め、「片づける時はいっしょにしてあげるから声をかけて!」と言ってあげます。そうするとほとんど声をかけてきます。声をかけることができれば「片づけようとしたんだね!」と認めてあげます。最初はできなくても徐々にできるようになればいいことです。できない時はハードルが高いからです。一つハードルを下げてできるレベルを確認していきます。

同じようなことを、様々な体験に落とし込んでいくと家庭の中でもこどものやる気を引き出せるのです。ちなみに、上記はテクニックの「やり方」の部分。そこは参考にしていただいて、大切なのは「考え方」です。認めることが「やる気」を引き出すという考え方さえ身に付いていれば、どのような場面でも応用が効きはじめます。手法・テクニックはあくまでも数ある中の方法論です。

日本では自己肯定感や自己効力感、コミュニケーション能力の低下が叫ばれています。日常的な生活体験、自然体験が少なく、認められる機会がないことが問題だという意見もあります。デンマークでは行政の教育システムにまで「認められ、チャレンジできる場」がありました。世界一幸せな国の教育システムは私たちのヒントになるのではないでしょうか。

また、デンマークは指導者の能力を引き出すレベルは高いと思います。コーチングとカテゴリーしなくてもよいほど、人の能力を引き出すチカラが根付いていると感じました。デンマーク人が言っていたことは、問題となったことを常に議論して解決しているとのこと。つまり、教えられて身に付けた訳ではなく、こどもたちの問題から学び、指導者も育った経緯があるのだと思います。私たちもこれから意識していけば育てるレベルも上がるはず!あらゆる問題を自分のことだと考え、前向きに取り組めば成長につながります。家庭だと日々実践で学べます。私たち大人もこどもと共に育ち合いましょう!

【まとめ】
認められないと⇒やる気ダウン⇒いらんことをする⇒また怒られる⇒行動しなくなる・・・悪循環

認められると⇒やる気アップ⇒体験を増やす⇒自分らしさの確立⇒夢やビジョン⇒行動⇒認められる・・・好循環

(注)私もデンマークの全てを見て書いている訳ではありません。ほんの一部しか体験していませんが、その中で私自身が感じ取ったことを記しています。森のようちえんも人気が高く入れないこともあるとのことです。全てのデンマーク人が同じ教育を受けている訳ではありません。まあこれは日本でも同じですよね。デンマークの内部でも学力を高めた方が良いという考えや、こどものストレスを減らした方がいいという考えで議論されていると聞きました。これが正解というものではなく、時代によって常に揺れ動き、その中でベストだと思う考えを選び取っていくものだと思います。私たちも視点を拡げ、選び取れるためのネタを増やせればよいと考えています。

次は「場の安心感が成長の土台です」お楽しみに!

佐藤陽平

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