テレビで年代による平均年収や平均貯蓄が出ていました。
もしかすると、平均点を超えていると安心するという思考があるのではないでしょうか?
平均とは全体の中心であり「普通」の概念。
普通より上に行けば勝ち組のような感覚もあるのでしょう。
これは日本人の独特な感性でもあるようです。偏差値教育が背景にあるのではないかと思います。
平均というモノサシを使い、自分と他人を比較する。
その上で満足感を得ている。
そして何よりも恐ろしいのは普通や標準で安心する思考でしょう。
経営のお手伝いをしていると、普通や標準を目標にする会社もあります。
普通を目標にする会社の特徴は「危機感がない」こと。
目的が「今の仕事をこなし、今を守る」だからです。
脳科学で言えば、左脳にある原理主義的な思考の部位が強いとこうなります。
もちろん、脳は生き残るために形成されているので原理主義的な思考も重要です。
この部位の特徴は価値観やアイデンティティを重要視すること。
このタイプは価値観が合わなければ距離をとる行動に移るのでわかりやすい。
自分たちが最も正しいと信じ切れるのも原理主義的な思考のなせる技。
信念という強みがあるが、崩れ始めると一気に崩れます。
だから「普通」を目指すようになるのです。
普通を目指せば普通を目指す人材が集まります。
「今のままがいい」という左脳の原理主義的な人が集まりやすくなるのです。
このような風土の経営者には「脱普通」と言っても根気よく付き合わないといけません。
なぜならば、自分主体の思考であるため他人の言うことを聞きません。
そのこともわかっているのでアドバイスも工夫しています。
私は創業100年を超す伝統を持つ会社への取材も行っています。
オファーを戴いたのでこの仕事を受けたのですが、なぜ100年以上の経営ができているのかを聞くと本当に面白い。
生き残る会社は「卓越」がキーワード。
普通や標準では時代に合っているだけで、時代が変われば続かない。
だから「卓越」を目指すのです。
卓越した人材を育て、卓越したシステムにするから人が辞めずに続き、また優秀な人材が集まる。
また強烈なココロザシを持っています。
経営幹部が「自分の時代だけでいいや、自分が仕事を好きなようにできればいい」というのではなく、次世代につなぐ強烈なココロザシで動いています。
経営者が自分の懐を温める自己保身ではなく社員を優遇する。自分よりも社員。
このような点も卓越しています。
だから人を集めなくても人が集まり事業も時代の変化に左右されません。
どちらかと言えば、時代を読み果敢にチャレンジしていました。
この考え方の方が生き残る確率が高いのは歴史が証明しています。
これからの人口減少時代。20年後には約800の市町村が消滅する危機に陥ると言われるような時です。税金が減少するのでライフラインにもお金をかけられなくなります。
これだけの時代の変化が予想されている中で「普通」を目指す方が良いのか・・・?
では、子供の教育について。
「普通の子」で良いと思っていませんか?
従順に働くことが成果だと考えられてきたこの数十年間。優秀な人材とは「普通」にこなせる人でした。
しかし、時代は徐々に変わってきており、現在求められている人材は「創造」と「解決」ができる応用型人材です。
脳科学で言えば「左脳型」の時代から「右脳型」に移り変わっています。
実は過去の時代を分析していくと右脳型と左脳型と「振り子のように移り変わっている」のです。
これが歴史から学ぶということ。
「強欲が活躍する左脳時代」と「調和を求める右脳時代」
昭和、平成と強欲で勝ち負けを基準にしていたのは左脳的思考。
女性の社会進出や調和を基準にし始めた右脳的思考の現代。
徐々に変化していると思いませんか?
左脳的な「普通」にこなせることを目的とした教育ではなく、応用ができる「右脳」型の教育も必要です。
人工知能のAIは左脳の役割を担ってくれます。
教育では左脳も右脳も両方大事なのですが、より右脳を意識していく方が良いでしょう。
どうすれば右脳が鍛えられるの?と言えば、愛情とチャレンジです。
愛情深い場の中でチャレンジすることで右脳が鍛えられます。
失敗も受け入れられる体験学習が右脳強化につながるんです。
ご家庭で体験させるというのは本当に大切なこと。
今年は年号も変わります。
私たち大人は常に学ぶ意識を持ち変化を恐れないこと。
まずは「脱普通の意識」を持つことから始めていきましょう。
ひとねるアカデミー
佐藤陽平